2022年1月23日、驚きのニュースが入ってきました。
日テレ・桝太一アナ、3月に退社し4月から同志社大の助教に就任 「バンキシャ!」キャスターは継続
日本テレビ・桝太一アナウンサーが3月末で同局を退社し、大学の研究員に転身することが23日、発表された。
この日放送の「真相報道バンキシャ!」の冒頭で、桝アナが自ら3月いっぱいでの退社、「科学の伝え方」を研究・実践するため、アナウンサーから大学の研究員へと転身することを発表した。
同志社大学ハリス理化学研究所の専任研究所員(助教)として、科学を社会に適切に伝える方法について研究し、同時に自ら実践していく道へ進むという。
「好きな男性アナウンサーランキング」で5年間連続1位に選ばれ、「殿堂入り」した人気アナウンサーが大学教員へ転職という非常に珍しい転身で、科学と社会をつなぐ「サイエンス・コミュニケーション」という学問分野で研究されていくようです。
ネット上の声は、残念!という声が非常に大きいですが、新しい分野への挑戦を応援する声が圧倒的に多く、バンキシャは継続して出演されるそうなので、大学教員として研究をしながら、アナウンサーも両立されるという、新しい働き方に注目が集まります。
ただ、助教(専任研究所員)として同志社大学のハリス理化学研究所に所属されるということなのですが、ネット上では助教授(いまはその名称は廃止されて、准教授)と混同するなど、わかりにくい大学特有の職位で混乱があるそうです。
現役大学職員として細々とブログを書いていますので、助教とはどんな職位なのか、年収はどれぐらいなのかをまとめてみることにしました。
桝太一アナが同志社大学でなる助教ってどんな職位?助教授とは違う?
ネットで一番多い間違いが、桝太一アナが助教授になるというものでした。
昔は教授に次ぐ職位として、助教授が設定されていましたが、いまはその名称は廃止され、日本では准教授と呼ぶことになっています。
つまり、桝太一アナが助教授というのは間違いで、助教というポジションであるというのが正解です。
大学教員の職位は上から順に、
- 教授
- 准教授
- 講師
- 助教
という順番になり、大学教員としては駆け出しのポジションです。
また、桝太一アナは、東京大学農学部水圏環境専修卒業→東京大学大学院農学生命科学研究科修了して2006年に日本テレビへ入社されていますので、修士卒という、大学教員では珍しい学歴です。
学歴は学部卒→修士卒→博士卒と分かれており、最近の大学教員は博士卒が基本なので、学歴としては足りていませんが、やはり「サイエンス・コミュニケーション」という分野でいままでの実績が評価されたのだと思います。
大学教員のポジションとしては駆け出しですが、理系分野の池上彰さんを目指したいとご本人が話されていますように、実務家教員的なポジションとしての活躍が期待されます。
桝太一アナが転職した同志社大学の助教の年収は?
桝太一アナが同志社大学の助教として転職されましたが、助教というポジションは大学教員では一番格下の駆け出しポジションなので、年収はアナウンサーと比較すると非常に低く設定されています。
フリーアナウンサーになれば年収数億円クラスになれる桝太一アナですが、今回転職された同志社大学の助教ポジションの年収は約500~600万円。
日テレの社員としてのアナウンサーの給与だけと比較してもおよそ3分の1ぐらいになりますから、自分のやりたいことを現役のポジションや年収を捨ててまで貫き通すのは素晴らしい選択だと思います。
文部科学省の学校教員統計調査でも、助教の平均年収は約350万円とされていることから、大手私立大学である同志社大学の助教であれば、500~600万円ぐらいが相場となります。
また、助教というポジションは任期制であることが普通であり、同志社大学任期付教員任用規程でも助教は5年任期で再任用無しと決められていますから、桝太一アナもそのような雇用形態であると推測されます。
同志社大学職員の場合だと年収は大手テレビ局クラス?
桝太一アナは今回、同志社大学が設置している研究所の助教という教員系列のポジションになります。大学で勤務する人間の職位は教員と事務職員があり、そのなかで任期の無い民間でいう正社員的なポジションと、任期の有る契約社員的なポジションが混在しています。
特に、大学教員におけるポスト争いは熾烈であり、東大や京大の博士課程を出たとしても30歳で年収300万円のポスドクとして働いている人は日本に多くいます。
高学歴であっても高年収になれるとは限らないのが大学教員の世界なのです。
博士が100人いる村(高学歴博士でも正社員になることすら難しい現実が書かれている有名な動画です)
そもそも大学の直接雇用されることすら難しい大学教員の世界で、修士卒という大学教員界ではハンデがありながら、研究所で助教というポジションに就職することができた桝太一アナは、民間企業時代の実績が非常に強みとなったことが分かります。
ただ、その任期無しとは対象的な、任期有りの大学教員や事務職員は非常に恵まれた待遇であるのが、同志社大学になります。
同志社大学の教員と事務職員のボーナスは、6.9ヶ月というトヨタ自動車クラスのボーナスの高さであり、1年目の事務職員からボーナス100万円を超えてくる世界です。
>>大学職員の年収ランキング|現役が解説する内部情報【2022年版】
非常に待遇が良い大学の助教ポジションであり、桝太一アナクラスの民間企業での実績があれば、今後教授になる道も拓けてくることから、今後のキャリアが注目されます。