そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 大学入試センター試験は各大学に委託されている
- 各大学の教職員がアルバイトとして駆り出されるのがセンター試験
2020年1月18日(土)・19日(日)に、大学入試センター試験が実施されます。
去年の志願者数は57万人、試験会場は約700箇所で実施される日本最大の試験です。
全国各地で実施される試験であり、試験会場は基本的には大学が指定されています。(一部、70箇所ほど高校でも実施)
大学職員として働いていると、大学入試センター試験の試験監督や運営も業務のひとつとなることが多いです。
センター試験中、大学職員が会場に携帯持ち込み、バイブ動く…受験生から苦情 大阪学院大
普段、大学職員は裏方稼業なのですが、ミスがあるとこのように新聞沙汰になってしまうのがセンター試験の大変なところ。
センター試験でのトラブルは格好のマスコミの餌なので、必ずマスコミ関係者の問い合わせなどが入るのも特徴のひとつでしょうか。
今日は、そんなセンター試験について、現役の大学職員からみた現状をまとめてみました。
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センター試験の試験監督って誰がやっているの?
https://twitter.com/Voca_Espoir/status/1218112169201430528
センター試験では、大学入試センターから試験実施を委託された大学の教職員が一体となって運営しています。
大学では、教員>事務職員という明確な序列がありますから、それは試験の実施にも表れているのが特徴です。
例えば、『開始』・『終了』の合図をするのはその試験教室の主監督となる専任教員(教授や准教授)です。
センター試験の試験監督はアルバイトを雇うことができない(部屋の外の伝令役などは学生アルバイトでも可)為、大学と直接の雇用関係にある教職員が業務にあたります。
そのため、実施大学によってはTVなどで見る有名教員が試験監督をやっていることもあるのです。
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センター試験の試験監督については、大学入試センターから送られてくる分厚いマニュアルによって、一言一句読み上げる内容が決められています。
センター試験の場合、朝早くに集合して初日のリスニングが終わるまでかなりの長丁場かつ、試験と試験の間の休み時間も少ないため、体力的には結構キツい仕事です。
そのため、やりたくない教職員は多いのですが、教員の場合は経済学部で◯人、法学部で◯人というように供出する試験監督の数が割り当てられている為、持ち回りで担当しているのが現実です。
センター試験の試験監督のアルバイト代っていくら?
そんな試験監督の気になるアルバイト代ですが、大学によってまちまちです。
大学入試センターからは、実施大学宛に一人あたり数万円というような経費が払われているのですが、それを大学が試験監督をする教職員に支払うかは自由。
現役大学職員の方々へご質問
センター試験対応で出勤した場合、手当出ますか?
(2日とも出勤の場合は、1日あたりの金額でお願いします)
— 暇な大学職員@去年60人が内定・転職済み (@univadm) January 16, 2020
大学によっては、センター試験で土日出勤するけどそれは振替休日だけという大学や、1日あたり30,000円近くの手当を支払う大学までまちまちです。
大学職員に限って言えば、若手の大学職員は待遇がいい場合は率先してセンター試験の試験監督業務にいってくれるというのはあります。
2日間担当すれば、それで70,000円近い収入となるため、臨時のお小遣いのようなものです。
逆に、年配の大学職員はそもそものベース給与が高い為、センター試験で手当をもらうよりは土日はゆっくり休みたいというひとがいることが多いと言えます。
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いずれにせよ、非常に注目度が高い試験であり、大学内の定期試験の監督業務とは比べ物にならないぐらい真剣さが必要な業務である為、ひとつの大きなイベントだと言えるのでは無いでしょうか。
2日で70,000円近い臨時収入をとるか、家でゆっくり休むか。
大学入試センターからの委託経費をきちんと教職員に還元している大学に勤務している大学職員としては悩みどころであると言えます。
センター試験で発生したトラブルとは?過去には試験中の答案漏洩も【2020】
もちろん、1秒の遅れやズレも許されないセンター試験においては、『開始』・『終了』の合図は2名で実施するように決まっています。
開始前には、主監督の専任教員とタイムキーパーとなった教職員が並びたち、双方の電波時計で時間を確認しながら、『試験はじめ』などのコールをすることとなっています。
その際、多くの大学では電波時計などを導入してどの試験会場でも均一の試験時間が担保されるようになっていますが、たまに設定ミスがあることも。
試験は60分間で、午前11時20分に開始予定だった。大学入試センターによると、開始から約20分後、時間を管理するタイムキーパーが、会場の時計が約2分ずれていることに気づいた。その後、監督が元々の終了時刻で試験を終わらせたため、本来よりも短い試験時間になってしまった。試験終了後に受験生から「試験時間が短かった」と指摘があり、ミスが判明したという。
開始20分時点でズレに気づいたのであれば、その時点で大学入試センターへ報告し指示を仰げたと思うのですが、本来の試験時間を確保できなかった為、希望者は再試験となった事例です。
会場の時計のズレについては、電波時計2個を使用するなどして防げたと思うので完全に大学のミスですが、数分のミスが新聞報道行きとなるのがセンター試験の特徴。
私自身、大学の入試運営本部にいたこともありますが、センター試験のときにはその地域担当の新聞記者から何か問題がなかったかかなり問い合わせが入っていました。
時事ネタとしては書きやすい記事ですし、ミスがあれば紙面で大々的に報じることもできる為、マスコミ格好の餌食となりやすいのがセンター試験だと言えます。
過去には、こんな事件も起こっていましたね。
警察まで出動!センター試験の問題を予備校職員に渡した女子生徒
2020年のセンター試験ではどんなトラブルがあるのか?
実施する大学職員や教員は戦々恐々として明日を迎えるのです・・・。